ERPC、アムステルダムリージョンでSolana向けVPS性能アップデートを完了。第5世代EPYCによる高効率仮想化を実現

ERPC、アムステルダムリージョンでSolana向けVPS性能アップデートを完了。第5世代EPYCによる高効率仮想化を実現

2025.10.27
ELSOUL LABO B.V.(本社:オランダ・アムステルダム、代表取締役CEO:川崎文武)と Validators DAO が運営する ERPC は、アムステルダムリージョンにおいて実施していた Solana 用途向け VPS 製品群の性能アップデートが完了したことを発表しました。
本施策は、先日発表した全VPSラインナップアップグレード計画の一環として行われたものであり、平均10〜25%の性能向上が見込まれます。

第5世代EPYCを採用した高効率仮想化構成

アムステルダムリージョンでは、最新の第5世代 AMD EPYC CPU をいち早く導入しました。
EPYC シリーズは仮想化に最適化された設計で、メモリチャンネル数が多く、仮想化オーバーヘッドが極めて少ないことが特長です。ERPC では、過度な仮想化を避ける構成を採用しており、CPU コアの実効性能を最大限に引き出しています。
これにより、複数のコアが同一キャッシュを効率的に共有し、データアクセスの再利用性と一貫性が向上しました。
特に Solana RPC / gRPC / Shredstream / Indexer など、CPU キャッシュを多用する用途で優れた応答性を発揮します。一部のワークロードでは Ryzen VPS を上回るパフォーマンスを示すケースも確認されています。

仮想化層・ストレージ制御・CPU割り当てを刷新

今回のアップデートでは、CPU割り当て方式、メモリアクセス、ストレージ制御を総合的に見直し、リソース全体のバランスを最適化しました。複数の I/O が同時に発生しても処理性能を維持できるよう調整されており、Solana に特化した高速レスポンス環境をより安定してご利用いただけます。

VPS 製品ラインナップ

EPYC VPS
今回のアップデートは、アムステルダムリージョンで提供中の全 VPS モデルに適用されています。各モデルともハードウェア構成および仮想化設定を刷新し、性能の均一化と安定化を実現しました。
Solana RPC、gRPC、Indexer、トレード系アプリケーションなど、レイテンシ依存度の高い用途において特に効果的です。

Solana RPC Bundle プラン

Bundle Plan
Bundle プランは、HTTP・WebSocket・gRPC・Shredstream を統合的に利用できる構成です。単一の契約で複数の通信方式を同時に扱えるため、既存の RPC から Shredstream への移行や検証を柔軟に行うことができます。
主要プロジェクトの多くが採用しており、Solana ネットワークにおける標準的な開発環境として広く利用されています。

Stream Bundle プラン

Stream Bundles
Stream Bundle プランは、UDP による最速通信で Shreds を直接取り扱う構成を採用しています。UDP は最速の通信方式であり、Solana のように超高速で Shreds が流れる環境で最も効率的に動作します。
Shreds はその構造上、データ欠損が発生することがありますが、Stream Bundle ではバックアップとして共有 Shreds を利用できるほか、Geyser gRPC によるデータ補完も可能です。
これにより、リアルタイム性とデータ網羅性を両立しつつ、最速の応答を維持します。すべての通信方式が含まれており、コストパフォーマンスにも優れることから、最も人気の高い構成となっています。

今後の展開

今回のアムステルダムリージョンにおける性能アップデート完了を皮切りに、他のリージョンでも順次同様の最適化を適用してまいります。
ERPC は今後も、ハードウェア・仮想化・ネットワークの全層において継続的な研究開発を行い、Solana エコシステム全体の性能と安定性向上に貢献していきます。
すべての製品は Validators DAO 公式 Discord を通じてご注文いただけます。

ERPC、Validators DAOが解決する課題

  • RPC環境で発生しがちなトランザクション失敗やレイテンシ変動
  • 多くのインフラプロバイダーによる性能制限
  • ネットワーク距離が通信品質に与える影響の大きさ
  • 小規模プロジェクトほど高品質インフラへアクセスしづらい状況
私達は、オープンソース開発を支援する Solana NFT カードゲームプロジェクト Epics DAO の開発過程で、高品質かつ高速な Solana 開発環境が容易に手に入らないという課題に直面しました。
そこで独自のプラットフォームを構築し、その知見を基盤として ERPC や SLV を提供しています。
金融分野のアプリケーションは特にミッションクリティカルであり、遅延やエラーは直接ユーザー体験に影響します。
分散したバリデータや Web3 特有の構造が重なり合う Solana 開発では全体像の把握が難しく、多くのプロジェクトが遅延や不安定さに悩まされてきました。
私達は必要とされる高性能な開発基盤を提供し、Solana エコシステム全体の開発体験とユーザー体験の向上に貢献していきます。
ERPC も SLV も、その一環として位置付けています。